新規開業を考えている方へ

商工会では新規開業を考えている、という方の支援をしています。開業に関するご相談を受け付けています。

事業をはじめるにあたって

お店をはじめたいというとき、どんなことから始めたらいいのでしょうか?

まずは、頭の中のイメージを現実に近づける作業が必要です。

そのために、事業計画書を作成します。

<事業計画書>

本当に実現可能なのかを再確認したり、金融機関や事業協力者への説明の際に必要です

【全体の構想・事業イメージ】

下記の4項目について、文章化してみましょう。

  • ○開業の動機───なぜ、やりたいのか
  • ○事業の目的───何のために
  • ○将来的ビジョン───どうしていきたいか、未来図
  • ○市場性の調査───成功するであろうと予測される具体的な理由

※どういう目的で何をやりたいかをはっきりさせます。事業に対する考え方や熱意、将来的な事業展開を説明します。また、市場規模・将来性・事業を取り巻く環境を調べ、事業内容の裏付けとします。

【具体的な事業内容】

販売・提供するものについて、具体計画をたてましょう。提供する商品・サービス・技術、それらの提供方法にどのような特徴があるか、そして対象とする顧客のニーズにいかにマッチしたものであるかをわかりやすく整理します。

▼販売計画▼
項目 検討事項
誰が 必要人員数
(必要な売上高を確保するために、従業員は必要か、家族のみでよいか)
誰に ターゲット
(顧客層をどこに絞り込むか、またそれにより客単価・商品の品揃えも検討します
何を 売るもの
(ターゲット・立地条件等によりどんな商品・サービスを取り扱うのか)
内容 販売方法
(どのような販売方法をとるのがよいか検討します。対面なのか通信販売なのか等
どこで 業種や顧客層にマッチした立地
販売条件 販売する時、どのような条件で販売するのか検討します
(現金なのか、掛け売りなのか等)
時間 営業時間について検討します

※販売について検討し、それについての見通しをハッキリさせます。商工会へご相談いただければ、市場平均などの情報もありますので、相談にのります。

▼仕入計画▼
項目 検討事項
何を 商品の確保が可能かどうか
どこで 仕入れ先(安定して供給してくれるところ)

※過剰在庫にならないよう、計画的な仕入は重要です。商工会でご相談にのります。

【収支計画】

開業当初の収支予測と軌道にのった後の収支予測をたてましょう

▼売上予測▼

どのくらい売上が見込めるのかを検討します。業種ごとの平均などから以下の算式が出ていますが、地域の事情等も考慮したり、多角的に予測してみることが大切です。

業種 算式

設備が直接売上に結びつき、設備単位あたりの生産能力がとらえやすい業種

(部品製造業・印刷業・運送業など)

設備の生産能力 × 設備数

販売業で店舗売りのウェイトが大きい業種

(コンビニエンスストアなど)

1平方メートル(または1坪)あたりの売上高 × 売り場面積
飲食店営業、理・美容業などサービス業関係の業種 単価 × 設備単位数(座席数) × 回転数

労働集約的な業種

(自動車販売業、化粧品販売業、ビル清掃業など

従業者一人あたりの売上高 × 従業者数

※1平方メートルあたりの売上高や従業者一人あたりの売上高「小企業の経営指標」などの数字を参考にしてください。商工会には、「小企業の経営指標」など売上予測をするなかで、必要な情報がそろっています。ご相談ください。

▼収支計画書▼

どのくらい利益がでるのかという見込みを検討します。

「経営環境」「業界事情」「設備能力」「競合状態」「価格の推移」なども含め、総合的に検討してください。

  開業当初 軌道に乗った後
売上高    
売上原価    
経費 人件費    
家賃    
支払利息    
その他    
 
合計    
 
利益    

※様々な方向から検討しなければなりません。ご相談ください。

【開業時の資金計画】

必要な金額と借入る金額と、返済できるかどうかの予測をたてます。

▼資金計画▼

借入に関するご相談もうけたまわっております。

資金使途 内訳 必要金額 内自己資金 内借入金
設備資金 店舗・工場・機械・備品・車両など      
運転資金 商品仕入・経費支払資金など      
 
合計 合計      
▼返済計画▼

借入金の返済は利益の中からなされます。生活費や税金を支出し、さらに返済することができるかどうかを検討する必要があります。損益計算書に基づいて見込みを検討していきます。計算は面倒ですが、借入をする際には、必ず必要です。

科目 開業当初
設備資金 店舗・工場・機械・備品・車両など
運転資金 商品仕入・経費支払資金など
営業経費 人件費  
地代家賃  
減価償却費  
その他の経費  
 
合計  
営業利益 売上高-(売上原価+営業経費)
営業外収入 営業に関係ない収入。受取利息、賃貸料など。
営業外費用 営業に関係ない費用。支払利息など。
税引き前利益 営業利益+営業外収入-営業外費用
法人税等充当額 引き前利益×50%(法人のみ)
当期利益 税引き前-法人税充当額

必ずしも希望どおりの資金調達ができるとは限らないので、いくつかのケースを想定しておきます。中古設備を購入した場合・リースを活用した場合など。以上のように、事業計画書を作成してゆきます。

<事業計画書ができたら・・・>

開業するまでにしなければならないことを、具体的にしていきます。

例えば、資金に借入をするならば書類を集めたり、家賃契約を結んだり、必要な届出をしたりなどです。

業種、場所などによってそれぞれ違いますから、詳しくは商工会でご相談ください。

さあ、開店に向けてがんばりましょう!

開業にともなう実務(届出など)

<税務>

▼税務署への届出(個人)▼
届出種類 提出期限 備考
開業届 開業日から1ヶ月以内  
青色承認申請書 開業日から2ヶ月以内 開業日が1/1から1/15の場合は3/15まで
給与支払事務所開設の届出書 給与支払いを始めた日から1ヶ月以内  
▼税務署への届出(法人)▼
届出種類 提出期限 備考
法人設立届出書 設立の日から2ヶ月以内 定款等の写しや登記簿謄本等の定められた書類の添付が必要
給与支払事務所等の開設届出書 設立の日から2ヶ月以内  
たな卸資産の評価方法の届出書 確定申告の提出期限まで 届出がない場合は最終仕入原価法
減価償却資産の償却方法の届出書 確定申告の提出期限まで 届出がない場合は定率法
青色申告承認申請書 設立の日から3ヶ月以内とその事業年度終了日、のいずれか早い日  
▼県税事務所への届出(法人)▼
届出種類 提出期限
事業開始等申告書(法人設立届) 各都道府県で定める日

<社会保険>

▼社会保険事務所への届出(健康保険・厚生年金保険▼
届出種類 提出期限 備考
新規適用届 速やかに

《法人》全加入

《個人》従業員5人以上は全加入

(サービス・飲食業等一部業種では任意加入)

(従業員5人未満は任意加入)

新規適用事務所現況書
被保険者資格取得届
被扶養者届
▼公共職業安定所への届出(雇用保険)▼
届出種類 提出期限 備考
適用事業所設置届 開設後10日以内

個人・法人ともに従業員を使用する場合は適用事業所になる

被適用事業所設置届
保険者資格取得届
雇用した翌月の10日まで
▼公共職業安定所への届出(労災保険)▼
届出種類 提出期限 備考
保険関係成立届 事業開始から10日以内 従業員を10名以上雇用する場合は「就業規則届」も必要
適用事業報告

<許認可>

業種により、許認可が必要な場合があります

▼主な受付窓口・許認可営業▼
受付窓口 保健所 警察署 都道府県庁及びその他の官庁
許認可営業
  • 飲食店業
  • 菓子製造業
  • 食肉販売業
  • 魚介類販売業
  • 旅館営業
  • 理容業美容業
  • クリーニング業
  • 医薬品等の販売業
  • 麻雀店
  • 古物商
  • 警備業
  • 指定自動車教習所など
  • 酒類販売業
  • 各種学校
  • 旅行業
  • 宅地建物取引業
  • 建設業運送業
  • 人材派遣業
  • 自動車整備業
  • ガソリンスタンドなど